「あなたが好きな駄菓子は何ですか?」

 駄菓子には、独特の魅力があると思いませんか?
 皆さまもきっと、子供の頃、限られたお小遣いで駄菓子を購入した思い出があることでしょう。

 現在、駄菓子は、大人が晩酌する際のおつまみとしても、人気が再燃してるそうです。
 また、駄菓子屋の存在は、さまざまな理由で再注目されています。

 今回は、駄菓子と駄菓子屋が再評価されるトピックを取り上げつつ、東京営業所メンバーの駄菓子に関する思い出を披露しましょう。

「子どもたちの『アニマシオン』を刺激する場」としての再評価

 かつては子どもたちの社交場であった駄菓子屋もすっかり少なくなりました。

 放課後、駄菓子屋に足を運べば、誰かしら友人がいました。
 知っている友だちがいなくとも、駄菓子屋の店主をしていたおばあちゃん(僕の記憶だと、駄菓子屋の店主が男性だった記憶はありません。何故でしょうね?)と、話すことができます。

 どんな会話をしていたか、今となっては記憶もありませんが。
 もしかすると、親、学校の先生以外で、子供がもっとも会話する相手は、駄菓子屋のおばあちゃんだったのかもしれません。

 「アニマシオン」という言葉があります。
 「アニマシオン」とは、ラテン語の「アニマ」(anima、魂や命の意味)から生まれた言葉であり、心身を活気づけ、元気づけることで、「うきうき」「わくわく」「はらはら」「どきどき」する心の動きを指す言葉です。

 その意味で言えば、駄菓子屋は子どもたちにとって、アニマシオンを刺激される場であったのでしょう。

「『学校外の教育』の場」としての再評価

 「『学校の教育』もしくは『学校型の教育』だけが、子どもたちのために必要な『教育』なのか?」

 これは、子どもに対する教育を考える上で、避けては通れない命題です。
 答えは明確なので、議論のポイントは、「では、子どもに対し、『学校外の教育』機会を、どのように提供するのか?」という点になります。

 最近の研究では、駄菓子屋の存在が子どもたちにとって、アニマシオンを伴った「学校外の教育」であった可能性が指摘されています。

 考えてみれば、駄菓子屋は、子どもたちが主体的に、「お金を使うこと」を学ぶ場でもありました。
 「限られたお小遣いのなかから、何を買うのか?」を考えることは、子どもの成長にとって大事なことです。

 ちなみに、筆者は駄菓子ではなく、おもちゃを買いたい派でしたね。
 たくさんのお小遣いをもらっている友人もいて、大量のお菓子をこれでもかとばかりに買う様子を、羨ましく、でも子ども心に、「あんなお金の使い方をして大丈夫なのかな...?」と感じていたことも、懐かしい思い出です。

「地域とのコミュニケーションの場」としての再評価

 昔は、どの街にもあった駄菓子屋ですが、最近では少なくなってきました。
 店主の高齢化、少子化や、コンビニの台頭など、駄菓子屋にとっては、今は厳しい状況なのでしょう。
 ただ、一方で駄菓子屋の魅力を活かし、新たなコミュニケーションの場として活用する動きもあるようです。

 西東京市にある『ヤギサワベース』はデザイン事務所に併設された駄菓子屋であり、子どもたちのためのコミュニケーションスペースです。
 子どもたちは、ここで駄菓子を食べ、遊ぶことができます。

 なぜ、デザイン事務所が駄菓子屋を併設したのか?
 そこには、セレンディピティというキーワードがあります。

「セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである」
出典:Wikipedia

 駄菓子屋を開設することで、地元とのネットワークを構築できます。
 また、「駄菓子屋を併設したデザイン事務所」というユニークな存在は、世間から注目を集め、自ずと宣伝広告効果を生みます。

 営業目的という言い方は、身も蓋もないでしょう。
 きっとワクワクするような、つまりアニマシオンな出会いを求めた結果が、駄菓子屋を併設したデザイン事務所だったのはないでしょうか。

 

 高齢者専用住宅で暮らす高齢者のQOL(quality of life)を高める取り組みとして、駄菓子屋を運営するケースもあらわれています。
 『菓々子』は、岡山県倉敷市にあるサービス付き高齢者向け住宅の入居者らが運営する駄菓子屋。
 千葉県内を中心に複数のサービス付き高齢者向け住宅を展開する銀木犀でも、一部の施設に駄菓子屋を併設しています。

 どちらのケースにも共通するのは、入居者である高齢者に対し、役割を提供することで、QOLの向上を図ることと、駄菓子屋を媒介として、子どもから高齢者までが集える地域のコミュニケーションスペースを創り上げることです。

 

 これがコンビニだったり、もしくは駄菓子ではない、一般的な流通菓子だと、こうはいかないのでしょう。

東京営業所メンバー、オススメの駄菓子と思い出

 皆さまの好きだった駄菓子は何ですか?
 東京営業所のメンバーが、思い出とともに語ります。

 ※画像はクリックで拡大します。

 太田

子供のころ好きだったお駄菓子

ラムネ、あんこ玉、ミルクせんべいに梅ジャム、麩菓子、チューペット、うまい棒、フェリックスガム、マーブルフーセンガム、モロッコヨーグル、よっちゃんいか

オススメの駄菓子とそのポイント

手軽にどこでもブドウ糖を補給できる森永ラムネ

オススメ駄菓子の思い出

小さい頃は、飲むラムネは高くてお小遣いでは買えなかったので、食べるラムネでがまんしていましたね。
瓶風容器のラムネには、いつしか一部に顔のイラストが入ったものになっていました。イラストは何種類かあるようです。

今でも駄菓子を買いますか?

今はチャック付き袋で大粒ラムネがコンビニやスーパーで売られているので、鞄に忍ばせて、血糖値をコントロール(..?)してます。

 中崎

子供のころ好きだったお駄菓子

あんこ玉、みつあんず

オススメの駄菓子とそのポイント

あんこ玉が好きで、「当たり」でもらえるビッグサイズのあんこ玉目当てによく買ってました。実際は当たっても、甘くて全部は食べきれないんですけどね。

オススメ駄菓子の思い出

あんこ玉の中に白いボールが入っていると当たり。デコピンで割れたのが当たりだから、店員のおばちゃんの目を盗んで デコピンして不正入手をしてたっけ。

今でも駄菓子を買いますか?

最近は買わないですね...

 若林

子供のころ好きだったお駄菓子

ガリガリ君

オススメの駄菓子とそのポイント

やっぱり「60円で得られる圧倒的清涼感&爽快感&満足感」が、ガリガリ君の魅力でしょう!?
今は1本70円ですけどね。

オススメ駄菓子の思い出

駄菓子屋で買って当たりが出た時には喜び勇んで交換に行ってましたが、コンビニで買った時は当たりが出ても交換に行けませんでした。

今でも駄菓子を買いますか?

最近は『アイスの実』と『あずきバー』に浮気しがちです。

 遠藤

子供のころ好きだったお駄菓子

わさびのり、餅太郎

オススメの駄菓子とそのポイント

辛くて美味しいわさびのり。

オススメ駄菓子の思い出

友達と口に何枚まで入るか競争してました。

今でも駄菓子を買いますか?

今は買わないですね。

 吉益

子供のころ好きだったお駄菓子

蒲焼さん、ガブリチュウ(グレープ味)

オススメの駄菓子とそのポイント

安くても食べごたえがある、蒲焼さん。

オススメ駄菓子の思い出

質より量を食べた方が満足感が高かったため、100円で10個買っていた記憶があります。たれが大好きで、おいしく舐めていた者もいたっけ...

今でも駄菓子を買いますか?

スーパーに売っているのでまれに買います。 (今も売っているということはロングセラーなのかも)

 大人になり、駄菓子から離れている方も多いとは思いますが。
 子供の頃のことを思い出しながら、久しぶりに駄菓子を食べるのも良いかもしれませんよ。

出典および参考
  • まちづくり仕組み図鑑 : 仕事を呼び込む「まちぐらし」のススメ(1) ヤギサワベース(東京都西東京市) 駄菓子屋併設でデザイン業拡大
    (馬場 義徳, 佐藤 将之, 安富 啓)
    日経アーキテクチュア 2021.4.22


  • 地域交流・社会参加 サ高住に「駄菓子屋」などを設置し多世代交流拠点と入居者の役割を演出 : 銀木犀/(株)シルバーウッド (特集 健康長寿時代の新しい住まい方・暮らし方)
    シニアビジネスマーケット 2018.2


  • 駄菓子屋から広がる地域住民みんなの居場所 駄菓子屋「菓々子」(岡山県倉敷市) (元気を生み出す! ご当地サロン : 新しい総合事業大見本市)
    Juntos 2017.1


  • 駄菓子屋文化と社会文化アニマシオン (特集 子どもにとってアニマシオンとは)
    (松田 道雄)
    研究子どもの文化 2017


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