ごった煮の街──大須を歩く

「大須という街は、まさに『ごった煮』大須大道町人祭に代表されるような文化/芸術面においても、年齢性別国籍を問わずアンダーグラウンドなものからメジャーなものまで、さまざまな文化を受け入れて、取り入れる。そんな『ごった煮』の雰囲気が、大須の大きな魅力のひとつです」

 これは、なごや大須商店街公式ホームページに掲載されている、大須の街の特徴です。
 懐かしくも新しく、そして活気のある街、大須を、当社岩崎、浅川とともに歩きました。

老若男女が闊歩し、多様なカルチャーが居並ぶ、「ごった煮」の街、大須
老若男女が闊歩し、多様なカルチャーが居並ぶ、「ごった煮」の街、大須

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大須の街の成り立ち

大須の中央を横切る、万松寺通りの入り口
大須の中央を横切る、万松寺通りの入り口

 大須(もしくは大須商店街)は、名古屋市中区の中央に位置する、大須2丁目~3丁目のあたりの、若宮通り(北側)、大津通り(東側)、大須通り(南側)、伏見通り(西側)に囲まれたエリアを指します。

 大須という地名の由来になったのは、大須エリア西側にある大須観音です。
 1612年、水害を避けて岐阜羽島から現在の場所に移転したことから、この界隈が大須と呼ばれるうようになりました。
 大須の街が発展を始めたきっかけは、江戸幕府下1610年、名古屋開府とされています。名古屋城の築城をきっかけに、尾張地域の中心であった清須から、名古屋へと都市機能が移転されたのです。

 織田信長の父である、織田信秀が開基した万松寺を始め、複数の寺社が大須の地に集まったことから、参詣者などを客として迎える門前町として大きく発展しました。
 幕末から明治初期においては、遊郭として発展を遂げますが、1892年の大火によって衰退します。しかし万松寺が、現在の大須三丁目の大半にあたる寺領を商業地として開放したことにより、大須の街は劇場や演舞場などを備えた歓楽街として復活を遂げます。
 当時は、東京の浅草、大阪の千日前と並び、日本三大歓楽街と称されるほどに栄えたそうです。

 しかし、第二次世界大戦末期の名古屋大空襲によって、大須の街は壊滅的な被害を受けます。

 戦後、大須の街は、歓楽街として復興を遂げますが、やがて都市計画によって百貨店や地下街が整備された栄地区に客足を奪われ、昭和40年代には寂れ、シャッター商店街と化しました。

 大須の街を再び復興させたのは、1975年、名城大学の助教授や学生が実施した「アクション大須」というプロジェクトでした。

 現在の様子は...、当社 岩崎、浅川がレポートしましょう!

まさに「ごった煮」、カオスな街並みに驚く

「これがお寺!」、びっくりな万松寺
「これがお寺!」、びっくりな万松寺

 明治期に興った大須復活の立役者となった万松寺の、現在の姿がこれです。
 商店街アーケードの一角にある、ビル化された姿が、現在の万松寺です。金色に輝く軒先の上にあるのは...、巨大なLEDパネルです。時に応じ、龍が飛び、さまざまな模様が移ろうという、いろいろと、びっくりなお寺です(笑

 パーツ系、もしくはゲーミングPCを中心としたPCショップが並んでいるかと思えば、昭和の匂い漂うレトロな洋品店も並びます。
 かと思えば、若者向けの雑貨店、食べ歩きを前提としたタピオカや唐揚げ店などもあり。

 なんとも「ごった煮」な街並みです。

アパレル...ではなく、「洋品店」と呼ぶのがピッタリの、昭和感満載のお店

アパレル...ではなく、「洋品店」と呼ぶのがピッタリの、昭和感満載のお店

 

一見、何を扱っているか分からないお店も(若い女性向けのアクセサリー店でした)

一見、何を扱っているか分からないお店も(若い女性向けのアクセサリー店でした)

 

秋葉原・日本橋に通じる、少しマニアックな匂いのするPCショップ

秋葉原(東京)・日本橋(大阪)と並ぶ電気街として栄えた時期もありました

ケバブレストランの上は、アイドルショップ、そして隣には洋品店というカオスな空間

ケバブレストランの上は、アイドルショップ、そして隣には洋品店という「ごった煮」な空間

 岩崎、浅川は、街のシンボルマークである大須観音に向かいます。
 ちゃんとお参りもしましたよ。

 お昼は、浅川が事前に調べていた、「ソロピッツァ ナポレターナ」でピザを食します。
 ここ、ナポリピッツア世界職人選手権で優勝した経験を持つ方のお店で、日本で唯一ナポリピッツア職人協会から認められた「ナポリピッツア親善大使」として任命されています。

 美味しかったですね!
 素材の味を楽しむって、こういうことなんでしょう。生地、ソース、そしてピザを彩る食材のそれぞれが、魅力を発揮しつつ、でもゴテゴテと主張しすぎることもなく。
 こう言ってはなんですが、ソースだけが目立つ市井のものとは違い、とても素性の良い料理を頂いた想いがします。

 大須は不思議な街です。
 筆者は東京在住であり、大須は初めて訪れたのですが、こういった「ごった煮」感は、東京では味わえないように感じます。

 秋葉原のようなサブカルチャー感。
 巣鴨のような昭和感。
 それでいて、少年少女を迎え入れる原宿の雰囲気もあり、懐の深い街です。

 あえて言えば、中野ブロードウェイあたりが近いのかもしれませんが、でも女子中高生がタピオカを飲みつつ、その横をカートを引いたおばあちゃんが通り過ぎる...なんてことはありませんし。

 不思議な魅力を備えた街でした。
 機会があれば、皆さまも是非、足を運んでみてください。

フォトギャラリー

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参考・出典



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