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改善は、面倒とか、難しいとか、言う人がいますが、ある意味、簡単なことです。
改善の手法をまとめた本はいくらでもありますからね。本の内容を実践すれば、意外と改善はスムーズにできます。
しかし、問題は動機づけです。動機づけがないと、改善は上手く進めれません。
動機付けに大切なのは何だと思いますか?
それは、「欲」です。欲を出す気持ちが重要です。
今回は、改善に取り組む上で大切な、欲について考えましょう。
少々、昔話を。
昔の小生は、自分が楽になることを考えて仕事を進めていました。
「手抜きの仕事」を実現するためには、どうしたら良いのだろう? 「手抜きをしたい!」という欲が、小生が改善を行う動機づけだったわけですな。
今思い返してみれば、親和・承認と無意識のうちに行動していたような気がします。
そこには、トヨタという環境が大きく関わっていたと強く感じます。
小生は、同僚をライバルとみなし、少しでも差をつけたいと願っていました。その結果、例えばトヨタ生産方式の実務体験を、小生は3回も受講しました。
安全欲求はもちろんありましたが、小生に限らず、皆が人間関係に至るまで、承認欲求を追い求めていた環境(企業)でしたね。
トヨタという環境にいたことで、小生は、大きな収穫と自信をつけることができました。
最近の若者は、欲が小さいですな。もっと大きな欲を持たなきゃダメです。
もっと欲張りになること、すなわち「自己実現欲求」が重要です。
食欲・睡眠・性欲は、人間の生理的な三大欲求としてよく知られています。
しかし、心理的欲求(社会的欲求)は、人それぞれ違います。
心理的欲求とは、人間や動物が行動を起こすための「動機づけ」という抽象的な概念です。
動機(モチベーション)は、動因と誘因のふたつに大別されます。動因とは、人が行動を起こす直接の原因のこと。誘因とは、ある作用を引き起こす原因のことであり、動因を満足させる対象であり条件を指します。
人は、不足を満たすために何らかの行動・手段を取りたいと思い、それぞれが、満たされたときには、「心地良い・気持ちいい」と感じます。この場合、不足=動因であり、心地良い・気持ちいい=誘因とも考えられます。
誘因は、具体的な行動を起こすための「目標・目的」と言い換えることができます。
大切なのは、この目標であり目的です。
目標・目的は、改善の一歩として、あらゆる知識の習得経験を積み重ねて生まれるもの。
日常生活でも同じです、常に目標・目的を持って生きていくことが大切です。
そんな生活は疲れると思うかも知れますか?
いやいや、違いますよ!
「尊敬されたい、お金や財産が欲しい、他人よりも優れた自分でありたい」
生きがいが感じられる、楽しいに生活にするためには、目標・目的が必要なのです。
もちろん、自己実現欲求を持つためには、評価する、そして評価される環境が整備されていることが重要です。教育、昇格、賃金アップなど、つまり欲をかきたてる餌と、それを実現するためのツールがないとダメです。
これは、改善をすすめる、もしくは改善をさせたいという企業側の課題ですな。
「今が一番いい方法」「面倒くさい」、こんな気持ちが、改善への妨げとなります。
最終的には、人間の欲求は自己実現欲求に行き着きます。
企業は、これを利用しない手はありません。
中小企業では、「安全・承認欲求」の環境が整っていないところが多くあります。
これは一例です。このような、改善しやすい環境づくり、すなわち評価、承認、そしてそれを支えるサポート体制を企業は整え、改善はしやすい、進みやすい環境を用意すべきですな。
社員側の課題も考えましょう。
ITの発達と普及によって、仕事環境も大きく変わってきています。
「今の仕事はどうあるべきか?」、考えないと、どんどん取り残されてしまいますよ!
人が、現代社会の変化、ITの進歩についていくために必要なのは、「いかに楽に働くか?」、つまりは手抜きを考えることではないでしょうか。
改善の動機づけとなる、「欲の塊」になるように、常日頃から考える癖を身につけて欲しいと思います。
中途半端な「欲の塊」ではダメですよ!
執念も持って、欲張りな人間になり、行動することが必要です。
木は、四季と肥料(クソ、うんこですな)があれば育ちます。
人間も同じですよ。
「やる気」(木)と「士気」(四季)、それと「なにくそ」(クソ)の肥料があれば、優れた人材に成長できるんです。
やる気(木)は、「欲」を動機づけにとした行動のこと。
士気(四季)は、企業側の環境づくりです。
なにくそ(クソ)は、社員が自分自身で勉強し成長を目指す、心構えのことです。
改善とは、企業と社員との信頼関係から生まれる結果に過ぎません。
改善の結果や進捗に不満を持つ企業は、社員の欲を刺激する環境になっているか、ぜひ見直して欲しいものです。